300年以上の長きにわたり、芸術的な名品を創り続けてきた、国立マイセン磁器製作所―。膨大な量の資料と原型をもとに毎年発表される復刻作品や新作は、すでにコレクターの間で確固たる評価と地位を得るに至っています。 芸術品と呼ぶにふさわしい作品群からは、マイセンの高い技術と伝統が伝わってきます。
花瓶「海の生き物」*世界限定25点
1920年代のマイセンに新風を吹き込んだウィリー・ミュンヒ・ケーへのオマージュとして、1954年に創作されたこの花瓶を、アーティスト、アンドレアス・ヘルテンが彼の様式で装飾しました。「ティル・オイレンシュピーゲル」や「文書保管人リントホルスト」、また「ペーター・シュレミール」のような朗らかでユーモアに満ちた人形で知られるミュンヒ・ケーは、才能ある造形師でグラフィックアーティストでしたが、豊かな自然界に創作のインスピレーションを求めていました。マイセンの古文書資料館には、彼のファンタジー溢れる不思議な鳥やパラダイスの鳥、さまざまな魚や海の生き物のグラフィックが数多く残されています。磁器上で、ケーは、2色か3色といった単純な色の調和から、立体的な造形を成すことに成功しています。アンドレアス・ヘルテンは、ケーのコンポジションにおける効果を利用しました。装飾は、一部は立体的に盛り上がった部分に施され、一部は絵付されています。魚、ヒトデ、カタツムリなどにはすべて、赤みを帯びた色調の挿し色があり、タコに似た想像上の生き物だけが補足的にアクセントとなっています。底部と海藻、サンゴには、この芸術作品にふさわしい、純度の高い金が用いられています。商品番号:50258/266484、高さ:29.5cm
MEISSENメモ(38):マイセン「ヘンチェルの子供たち」のご紹介
マイセンの 「ヘンチェルの子供たち」をご紹介します。
20世紀初頭、当時すでに200年の伝統を持ち、クラシックな磁器を作り続けていたマイセン磁器製作所にアール・ヌーヴォーの新風を吹かせ、多くの愛らしい子供の姿を作り上げた造形家、ユリウス・コンラート・ヘンチェル(1872-1907)。ヘンチェルは、子供のあらゆる姿、表情、しぐさの一つひとつを生き生きと的確にとらえ、彼の独自のスタイルを確立しました。当時のマイセン新聞はこう伝えています-「マイセン磁器製作所は、現代の小像の分野において、特に人間描写の点で最も大きな、そして重要な貢献を果たしている」。彼の代表作「ヘンチェルの子供たち」は、今なお世界中のマイセンファンの心を捉えて離しません。
*マイセンの製品は、全国主要百貨店 でお求めいただけます。
MEISSEN 2016年イヤードール「凧を持つ少年」
マイセン の2016年イヤードール「凧を持つ少年」をご紹介します。
「イヤードール」は、20世紀初頭に登場した人気シリーズ「ヘンチェルの子供たち」の精神を受け継いだアルフレッド・ケーニッヒ(1871-1940年)が、「子供」シリーズとして制作した作品の復刻版です。ケーニッヒは1897年にマイセン磁器製作所に入り、ヘンチェルと共に、マイセンのアール・ヌーヴォーを代表するアーティストとなりました。彼はヘンチェルと創作活動を行ない影響し合いましたが、目指したところは一つ、「子供を、日常の光景の中で自然に表現すること」でした。「イヤードール」シリーズは、2014年から始まり、その名前の通り発表された年に限り制作・販売される限定作品で、底部に金でその年の年号が入れられます。3作目となる2016年は「凧を持つ少年」です。
左から
*2016年「凧を持つ少年」
大切な凧を上げようと、風を待つ少年の人形です。淡い色合いの服装や仕草にアール・ヌーヴォーの特徴がよく現れています。品番:73802/900195、高さ:15cm
*2015年「麦わら帽子を持つ少女」
今、まさに出かけようとする夏の日の散歩のため、少女は可愛らしい夏服を着て、麦わら帽子を手にとり、優しい面差しの顔にかかる髪の毛をかけ上げています。風になびくスカート、少しかたむいた姿など、マイセンの高い技術が伺える作品です。品番:73801/900195、高さ:20.5cm
*2014年「少女とネコ」
ネコを見つめる少女の優しく楽しげな眼差しとは対照的に、左腕に載せられ少し不機嫌そうなネコと、突然抱え上げられビックリしたのか目を丸くした表情を見せるネコ、彼女に遊ばれる2匹のネコの表情も細かく表現されています。品番:73800/900195、高さ:12cm
*マイセンの製品は、全国主要百貨店 でお求めいただけます。