毎年発表されるマイセンの「イヤーコレクション」が、
全国の主要百貨店やマイセン リーガロイヤルショップ(大阪)で、9月より順次販売されます。
ミニ干支シリーズ
ミニ干支シリーズは、2021年から新しいシリーズが始まります。
現代マイセンの若き造形家、マリア・ヴァルターによるデザインで、
毎年異なるマイセンを代表する絵柄が描かれます。
2021年は「インド文様」。18世紀初頭、日本や中国などから輸入される磁器は、ヨーロッパ貴族の憧れの的でした。
初期のマイセンで数多く作られていたのが、東洋の模様をまねた「インド文様」と呼ばれるものです。
左は寄り添う子牛に優しいまなざしを向ける母牛。インド文様に加え、背中のハート模様やカウベルもキュートです。
右は力強い角と優しい表情が印象的な牡牛。お腹にインド文様が描かれています。
(品番:83639/83640/D/3P、高さ:メス約7.5cm、オス約8cm、
台座(日本製):縦約11.5×横約16.5×高さ約2cm)
造形の名手、マリア・ヴァルター
1988年生まれ。
ヴァルターは、サービス造形職業専門学校で学んだ後、
モードファッションの裁縫師になるための教育を受けました。
その後デザインへの情熱に気付き、
ドイツのバイエルン州ゼルプへ向かい
職業専門学校や製品デザイン専門学校で教育を受け、
製品デザイナーの州の資格を取得しました。
自動車産業でデザイナーとして経験を積んだ後、
2013年にマイセン磁器製作所に入り、
造形家でありデザイナーでもあるマイセンの
トップアーティスト、ヨルク・ダニエルチュクの
門下生となりました。
干支プレート
アーティスト、アンドレアス・ヘルテンが
手掛けた干支プレートの最終作です。
牡牛の奏でるメロディーに
牝牛は心を奪われているようです。
(品番:54614/76A014、直径:約19cm、
プレートハンガー付)
イヤープレート
世界自然遺産シリーズの 6 作目(最終作)は
「オーストラリア エアーズロック」。
「ウルル」とも呼ばれるこの巨大な一枚岩は、
アボリジニにとって聖地であり、
観光客はその神秘的で威厳あふれる
美しさに圧倒されます。
アンドレアス・ヘルテンが
デザインしました。
(品番:54624/76A026、直径:約27cm、
プレートハンガー付)
アンドレアス・ヘルテン
1967年、バルト海のそばのウィスマール生まれ。
国立マイセン磁器製作所で、
1984年から1988年まで花絵付を学びました。
ハインツ・ヴェルナー教授のもとで研鑚を積み、
1989年から「芸術の発展をめざすグループ」に参加。
チーフデザイナーであったヴェルナー教授の高弟として
新しいデザインを共に企画し、
プラークなど多く手掛けるようになりました。
1989年、1990年と、ハイリゲンダムで専門教育を修了。
以後、専門のデザイナーとしての道を歩み、
「波の戯れ」に「ユーゲント」や「青い花」、
「ベゴニア」などの魅力的な絵付を発表しました。
MEISSEN 新作
MEISSENメモ(80):マイセンの「リモージュ風絵付」のご紹介
マイセンの「リモージュ風絵付」をご紹介します。
白い顔料を薄く塗り重ねてモチーフを描いていく「リモージュ風絵付」。
フランスで生まれマイセンで花開いた技法で、限られた絵付師にしか使いこなせない
非常に高い技術を必要とするものです。
元は金属をエナメルで装飾する時に用いられていたもので、
絵付師はこの技法を用いて見事に不思議な半透明の絵付を生み出しました。
白い顔料が施釉された黒や深い青色の磁器の上に一層ごとに描かれ、
層の厚さに応じて絵付は半透明に見えたりします。
そして魅力的な立体感が生まれます。
1893年にシカゴ万博へ出展するために「宝石箱」という作品が作られ、
1999年にそのレプリカを制作するときに、初めてこの絵付技法が使われました。
絵付師にとって特別な挑戦でしたが、新たな完璧な作品を作り出したのです。
メディア情報:なごみ
出版社名:淡交社
2019年3月28日発売号
なごみウェブサイト
『なごみ』は、茶道や日本文化愛好者に
「茶のあるくらし」を提案している月刊誌です。
29~33ページの「見立て道具をお買い物」の
31ページにて「茶巾筒」として
マイセングラス「バッカス ロゼット」の
リキュールタンブラーが紹介されました。
*バッカス ロゼット
マイセングラス「バッカス ロゼット」は、
国立マイセン磁器製作所と
ドイツのガラスウェアブランド「テレジアンタール社」が
コラボレートしたシリーズです。
マイセン磁器とテーブルコーディネートするためのアイテムとして
誕生しました。
「バッカス」とはローマ神話に登場する「ブドウ酒の神様」のこと。
19世紀の歴史主義様式を代表する古典的なフォーム、
そこに施された「ロゼット」(バラの形の装飾)とリボン、
そして脚のないデザインが特徴です。
この「ロゼット」や脚のないデザインの源は、
中世の時代の「レーマーグラス」です。
グラスのフット・プレートにはコラボレートの証として、
「マイセン」の双剣マークと「テレジアンタール」の王冠マークが
刻まれています。
カラーは、クリア、ピンク、ライトグリーン、アンバー、ブルーの5色あり、
アイテムは、ワイングラス、タンブラー、ボウルなど7種類あります。
また「レーマーグラス」とは、一般的に太いステムと卵型や樽型のカップ部分からなる
ワイングラスを意味します。
特徴的なステム部分の突起状の飾りは、中世の頃、ナイフとフォークを使用する習慣ができる前に、
食べ物をつかんだ油だらけの手でグラスを持っても滑らない工夫として施されたといわれています。