MEISSEN 2016年世界限定作品:花瓶「ベールを持って踊るニンフ」パト・シュール・パト
300年以上の長きにわたり、芸術的な名品を創り続けてきた、国立マイセン磁器製作所―。膨大な量の資料と原型をもとに毎年発表される復刻作品や新作は、すでにコレクターの間で確固たる評価と地位を得るに至っています。 芸術品と呼ぶにふさわしい作品群からは、マイセンの高い技術と伝統が伝わってきます。
花瓶「ベールを持って踊るニンフ」パト・シュール・パト*世界限定25点
1774年から1792年、フランスからルイ16世にちなんだルイ16世様式がはいってきました。マイセンの磁器芸術もこの様式の典型的な要素を良く伝えています。幾何学的なフォーム、花綱、雷文、メダル型、寓意的な装飾などがこの時代の特徴です。特にエレガントなオブジェとして成功したのが、卵型の花瓶に蛇の取手をつけた1781年頃のヨハン・カール・シェーンハイトの蓋付花瓶です。プットーのような天使と鳩が花瓶の背面に描かれていますが、これはバロック様式の時代にもロココ様式においても好まれたものでした。踊るニンフはそれに続く時代の装飾ヴァリエーションです。ニンフはドレスデンの磁器美術館に所蔵されている花瓶に見られ、おそらくはマイセンのアーティスト、ルードヴィッヒ・シュトルム(1844~1926)に遡ります。シュトルムは1893年のシカゴ万国博覧会で大成功を収めました。高度な技術を要する芸術的なパト・シュール・パト絵付が、重ねづけされたモチーフを浮かび上がらせています。絵付師は繊細な筆運びによって、液体状の磁土を一層ごとに重ねていきます。それによって、動きのあるニンフの衣装の襞やベールの、繊細で自然なレリーフが生まれます。芸術的に形づくられた蛇は、誘惑のシンボルであり、ニンフと関連しています。高価な本体は、立体的な取手やレリーフ、レース装飾、そして絵付と構成的な一致を見せています。300年以上を数えるマイセン磁器芸術の逸品と言える作品です。商品番号:59233/892784、高さ:32cm
【マイセンとフランス宮廷のご紹介】
マイセンとフランス宮廷には深いつながりがあります。マイセン磁器の生みの親であるアウグスト強王の数多い孫の一人、マリア・ヨゼファがルイ15世の王太子に嫁いでいるのです。そして、マリー・アントワネットが嫁いだルイ16世の生母となっています。マイセンとフランスを結ぶ絆はその時に深く、強くなりました。この世界限定作品花瓶「ベールを持って踊るニンフ」パト・シュール・パトも、そのような歴史を感じさせる逸品です。