MEISSENメモ(37):マイセン「ベトガー炻器」のご紹介
マイセン「ベトガー炻器」のご紹介をします。
「ベトガー炻器」
マイセンの創始者、アウグスト強王の命を受け、錬金術師、ヨハン・フリードリッヒ・ベトガーによって、ヨーロッパ初の白磁を発明するのに先立って作り出されたのが赤茶色の焼物でした。それは炻器といい、その記念碑的な価値から「ベトガー炻器」という名称で呼ばれています。炻器は膠塊粘土(こうかいねんど)と呼ばれる鉄を含んだ茶褐色の土で作られています。白磁の焼成の成功以降は次第に顧みられなくなりましたが、二十世紀に入ると、彫塑(ちょうそ)に適した特性が見直され、再び動物彫像など多くの作品がこの製法で作られるようになりました。