MEISSEN 2015年世界限定作品:香水瓶「ワトーによる人物画」
300年以上の長きにわたり、芸術的な名品を創り続けてきた、国立マイセン磁器製作所―。膨大な量の資料と原型をもとに毎年発表される復刻作品や新作は、すでにコレクターの間で確固たる評価と地位を得るに至っています。 芸術品と呼ぶにふさわしい作品群からは、マイセンの高い技術と伝統が伝わってきます。
今回は、マイセンの2015年世界限定作品の中から、香水瓶「ワトーによる人物画」をご紹介します。
香水瓶「ワトーによる人物画」*世界限定50点
マイセンで磁器が作られ始めたころ、フォームの手本になったのは銀や錫の器だけではありませんでした。ヨゼフ・アレクサンダー・フォン・ズルコフスキー伯爵が、彼の離宮ユビガウのために伝説的な造形家であるヨハン・ヨアヒム・ケンドラー(1706-1765)にサーヴィスセットを注文した1735年、サーヴィスセットのレリーフの参考になったのは、ひとつの銀器でした。編み込み模様が、金で縁取られた面をレリーフのように取り囲んでいます。ロココ時代に大変な人気を博したアントワーヌ・ワトー(1684-1721)の絵を手本にした絵付がマイセンで始まって275年になるのを記念し、正面にワトーの絵が描かれています。マイセン磁器製作所は1741年にワトーの銅板画を購入しました。それらの銅版画はマイセンのアーティストたちに絶えずインスピレーションを与えています。特に、有名な四季の人形や、本作品のようなコケティッシュな細密画において。この香水瓶のモチーフは、ワトーの銅版画「しぼんだ恋はもうたくさん。私は生きのいいのを選んだ」をモチーフにしています。香水瓶の裏側には古典的な様式による花絵付が施され、離宮から選ばれたこの高価な装飾品は二つの喜びを物語るものとなりました。自然の美と愛という喜びを。(商品番号:51089/292184、高さ:19cm)