MEISSENメモ(112):
マイセン最古の作品の一つ「バラスター装飾花瓶」のご紹介
マイセン最古の作品の一つ「バラスター装飾花瓶」をご紹介します。
1710年にマイセンが誕生した初期の頃、マイセン磁器は制作者たちがそれまで携わってきたものの影響を受けました。
銀や銅の細工師たちが、それぞれの習得した技を新しい素材である磁器に応用しようとしたのです。
「バラスター装飾花瓶」の原型となったものは、マイセン磁器製作所のコレクションの中でも最も古く、宮廷金銀細工師、ヨハン・ヤコプ・イルミンガー(1635-1724)の作品として知られています。
花瓶のフォームやレリーフは、錫や銀の器が制作上の手本であったことを思い起こさせます。
中でも花瓶の上部に施されたレリーフは、寝台の天蓋などに用いられたひだつき垂れ布の銀細工装飾を思わせます。
(バラスターとは階段の手すりの支えや家具などに多様されたデザイン装飾で18世紀に流行しました)