MEISSENメモ(85):群像「宮廷の恋人たち」シリーズのご紹介
群像「宮廷の恋人たち」シリーズをご紹介します。
18世紀にフランスで栄えた「ロココ様式」は、マイセンでも大流行し、
ドイツ人が憧れたフランス宮廷の雅びがマイセンにも持ち込まれました。
「宮廷の恋人たち」シリーズは優雅に広がるクリノリン・スカートから「クリノリン群像」とも呼ばれる人形。
原型は1744年に天才造形師、ヨハン・ヨアヒム・ケンドラーに(1706-1775)よって作られたものです。
ケンドラーは、細部まで繊細に形作れて、かつ細やかな絵付もできる理想的なサイズに仕上げています。
まさに小さな磁器彫刻の芸術です。
スカート(クリノリン)の豊かなひだや動きやそこに施された美しい花柄、胸元や袖口のフリルなども見所です。
*クリノリンとはスカートを膨らませるための釣り鐘型フレームのこと。
クリノリン(crinoline)はその素材となった馬の尻尾の毛「クラン(crin)」と麻布「ラン(lin)」を
合成した言葉といわれています。