MEISSENメモ(69):手びねり人形「ピエロの楽隊」のご紹介
手びねり人形「ピエロの楽隊」をご紹介します。
人形「ピエロの楽隊」15ピースセット
マイセンの造形の第一人者、ペーター・シュトラングによる手びねりの人形です。
それぞれの楽器と弾き手がひとつになって楽しいオーケストラになりました。
「できません」、これは今世紀最も有名なピエロであるアドレアン・ヴェタハことグロックというスイス人の特徴的な口ぐせです。
シュトラングは、グロックやその仲間たちのことを思い出しながら、愛すべきこっけいな人形を1993年に作り上げました。
アコーディオン、ホルン、チューバ、サクソフォーン、ヴァイオリン、チェロ、フルート、太鼓、コントラバス、ギター、歌手、
ハーモニカ、グランドピアノ、そして指揮者の14名の楽隊です。
ピエロたちの格好といったら、だぶだぶのズボン、ぶかぶかの靴、長短色々のぼさぼさの髪、こっけいな帽子です。
この人形たちはマイセンの良き伝統を表現しており、長年にわたってシュトラングは魅力的な傑作を考えて出しています。
「手びねり人形」の制作の様子
マイセンの人形は、その種類の多さ、
様式の多様さが一つの特徴となっています。
中でも「手びねり人形」は、伝統的な人形制作とは異なり
石膏型をほとんど使用しないで作り上げられます。
トップアーティスト、ペーター・シュトラングが考案した技法です。
磁土をこねて、手で自由に作られる人形は、ユーモラスで豊かな表情と、
一品一品味わいが異なることが魅力です。
ペーター・シュトラング(Peter Strang)
1936年、ドレスデン生まれ。
14歳でマイセン磁器製作所に入り、
4年間修業した後ドレスデン造形美術大学でさらに4年間造形を学ぶ。
1960年、マイセン内に設立された
「芸術の発展を目指すグループ」の設立メンバーに。
以来50年以上にわたりトップアーティストとして活躍。
2000年、ザクセン州功労賞受賞。現在でも創造性豊かな作品を
マイセンに提供している。