「春」をテーマにしたプラークをご紹介します。
「春」や「春の花」をテーマにした美しいプラークをご紹介します。
プラークの歴史は古く、絵付の可能性を求めた熟練の絵付師が食器の絵付と並び、1753年に「磁板の上に絵を描く」ことを始めました。
マイセン磁器の生みの親、アウグスト強王の息子、アウグスト3世が磁器よりも絵画の収集に熱中した影響も大きくありました。
イタリア、フランス、オランダの名画の模写からは、絵付師たちの並々ならぬ手腕をみてとることができます。
この「絵画的絵付」が後に「プラーク」(陶板画)となって、マイセンの大きなジャンルに発展しました。
MEISSEN マイセン:アーティスト、ブレッチュナイダー70歳記念作品のご紹介
トップアーティスト、ブレッチュナイダー70歳記念作品をご紹介します。
マイセンのトップアーティスト、ホルスト・ブレッチュナイダーが昨年70歳を迎え、その記念作品が発表されました。
立体的な磁器の花が装飾された6種類のプラークです。
彼ならではデザイン、鮮やかで繊細な色彩、そして卓越した職人技が光る作品です。
写実的な美しさもありながら、モダンな印象のプラークは、空間を洗練されたものにします。
作品には特別に彼のサインが入れられています。
プロフィール
1952年 ヤーナに生まれる
1968年~1972年 国立マイセン磁器製作所で磁器絵付師として修業を積む
1972年 花と果物柄の絵付師として、養成学校を「優」で卒業
1972年~1978年 果物画の絵付師として活動
1979年 「芸術の発展をめざすグループ」のメンバーとなる
1979年~1995年 数多くの絵画をもとに磁器プラークの絵付を行い、
また多くの特別制作も行う
1985年 磁器による壁面装飾の構想・制作部門を担当し、
ハインツ・ヴェルナー教授、フォルクマール・ブレッチュナイダーとともに活動する
1986年~1996年 「エキゾチックな水辺の花」など、ルードヴィッヒ・ ツェプナー作のフォーム「グローサー・アウスシュニット」にさまざまな絵付を行う
現在では後進の指導を行う傍ら、独自の手法によって芸術性の高い限定作品や
ユニカートにその名を残しています
*2016年に来日した折に、ブレッチュナイダー氏に行ったショートインタビューを「マイセンサイト」でご覧いただけます。
>>マイセンサイト
MEISSENメモ(105):マイセン磁器「パイプオルガン」のご紹介
マイセン磁器「パイプオルガン」をご紹介します。
マイセン磁器の生みの親、アウグスト強王にとって、マイセン磁器でパイプオルガンを作ることは悲願でした。
マイセンの町の広場に建つ聖母教会に設置したマイセン磁器製の鐘を作ることは出来ても、
高い精度が必要な本格的な楽器の制作は困難を極め、18世紀初頭に強王が依頼してからなんと約300年もの歳月を要しました。
これは「マイセン最長の納期」と語り草になっています。
造型家、ルードヴィッヒ・ツェプナーの研究と情熱、
そしてオルガン制作に200余年の歴史を有するイェムリッヒ社の協力によって、
世界初のマイセン磁器を使用したパイプのオルガンが2001年に完成しました。
磁器芸術の最高傑作の一つと言われています。
マイセン美術館では、折に触れてこのオルガンによる演奏会も開催されています。
ルードヴィッヒ・ツェプナー/Ludwig Zepner
1931年、シレジア(現ポーランド領)のマルクヴィッツに生まれる。
1948年、17歳で国立マイセン磁器製作所に入り、1年間絵付を学び、
その後3年間、成型を学びました。
1954年にベルリンの応用美術大学に入学。
卒業後マイセン製作所に戻り、さらに研鑽を積みました。
マイセン磁器製作所の未来を担うために作られた
そして「芸術の発展を目指すグループ」の一員となり
多くの名作を生み出しました。
現代マイセンのフォームは、ツェプナーの卓越した造形感覚に負うところが大きいと評されています。
自然観察の中から生まれた彼が考案したフォーム「グローサー・アウスシュニット」は、
「ブルーオーキッド」「アラビアンナイト」のテーブルウェアに用いられています。
白鳥をイメージしたポットには独特の優美な雰囲気があります。
2001年、化学者のような探求心をもって実験を重ね、磁器によるパイプオルガンを完成させました。