マイセンのカップ&ソーサーについて
マイセンのほとんどのカップ&ソーサーのカップとソーサーの容量は、ほぼ同量であり、
ソーサーが深めで見込み線(カップを置くための線)がないことは知られています。
なぜ「ソーサーが深め」なのかは、
当時熱い飲み物が苦手だったヨーロッパの人々が熱いコーヒーをカップからソーサーに移して飲んだという説や、
上澄みの部分を飲んだ。またはカップにもソーサーにも飲物を入れて供した説など諸説あります。
それを表わしている資料として、貴婦人らしき女性が優雅にコーヒーをソーサーに移している姿や、
コーヒー好きの人々が飲む姿をユーモラスに表現された版画が残されています。
18世紀では贅沢品だったコーヒーを「白い金」と言われた高価な磁器で飲んでいたという歴史を感じますね。
(まあ!コーヒーはなんて美味しいのかしら/マイセン磁器とグラフィックス)より
上の男性はカップを持ちながらソーサーでコーヒーを飲んでいます。
版画/ルイ=マラン・ボネ「コーヒーを飲む女性」
貴婦人らしき女性が「すまし顔で小指を立ててコーヒーを注いでいるのでけっして下品なマナーではなかったようだ」と解説しています。
代表的なカップ&ソーサーをご紹介します。
「ノイアーアウスシュニット」と呼ばれ、1745年、ケンドラーによって創作されました。最もポピュラーなフォームです。
右:型番号05584
18世紀に生まれた「スワンのサーヴィスセット」のシリーズ。取っ手にはスワンの顔があしらわれ、ソーサーにはスワンや魚などのレリーフが施されています。
1820年頃、シェーネが創作されビーダーマイヤー様式の時代に最も人気がありました。高く持ち上がったスワンの取っ手がエレガントです。
右:型番号23582
造型家、ツェプナーによるこの「グローサーアウスシュニット」は、現代マイセンの傑作と言われていますが、伝統的なフォームのエッセンスも感じられます。
睡蓮を抽象化したデザインで仕上げられ、花や葉をイメージさせる波打つような縁が印象的です。
MEISSENメモ(99):ワインやブドウをテーマにした作品のご紹介
ワインやブドウをテーマにした作品をご紹介します。
ドイツはビールが有名ですが、ワイン造りも盛んで秋には郷土色豊かな「ワイン祭り」が各地で開かれます。
ワイン祭りの起源は古く、600余年前とされ、時代を超えて愛され続けています。
古都マイセンも同様でヨーロッパにおけるワイン栽培の北限地と言われ、
11世紀からアルブレヒト城がそびえるエルベ河沿いの谷の斜面でワイン栽培が行われています。
その影響からマイセン磁器にもブドウやブドウ畑、ワイン作りをテーマにした作品が数多くあります。
皆さまもこの時期の「おうち時間」はワインを楽しんではいかがでしょうか。
ユーモアあふれる絵付と、中央のプラークを囲む繊細でユニークな絵付が絶妙な調和を見せています。
(品番:9M504/930017、サイズ:約35×35cm)
群像「ブドウ搾り」(品番:61274/900300、高さ:約32cm)
群像「ブドウ搾り」(品番:61035/900380、高さ:約24cm)
群像「ブドウ酒造り」(品番:61277/900300、高さ:約35.5cm)
ズボンやスカート、帽子やアクセサリーの色彩や形は当時の流行をうまく取り入れたもので、その多様さは個々の顔立ちと同様、非常に魅力的です。
たわわに実るブドウと蔓をかき分けたその先には、エルベ河が流れ、勇壮なアルブレヒト城がそびえる―。
マイセンという町のシンボルを美しく描き出した作品です。
(品番:9M008/29A225、サイズ:23×23cm)
花瓶「アルブレヒト城とブドウ」
伝統の貼花装飾でブドウを作り、遠景にアルブレヒト城が見える奥行きのある作品になっています。
(品番:50180/29A226、高さ:26.5cm)
現代マイセンの若き造形家、マリア・ヴァルターがデザインした「三猿」と、
マイセンの膨大なアーカイブの中から選んだ18~19世紀の胸像をモチーフにしたデザインがあります。
これからのワインの美味しい季節のテーブルシーンをユーモラスに上品に演出するアイテムです。
左上から
「見ざる」品番:000000/83M29、高さ:約13.5cm/「言わざる」品番:000000/83M28、高さ:約12.5cm/「聞かざる」品番:000000/83M30、高さ:約13.5cm
「少年」品番:000000/83M35、高さ:約11cm/「頭巾を被った女性」品番: 000000/83M32、高さ:約11.5cm
「猿の指揮者」品番:000000/83M37、高さ:約11cm/「紳士」品番:000000/83M36、高さ:約12cm
MEISSENメモ(98):アレゴリー(寓意)をテーマとした作品のご紹介
アレゴリー(寓意)をテーマとした作品をご紹介します。
アレゴリー(寓意)とは、抽象的な概念を具体的な形象によって表現する技法のことで、
14世紀の頃から美術作品に取り入れられてきたと言われています。
マイセンでは18世紀から伝統的なテーマとして作品が作られてきました。
今回はその一つをご紹介します。現代マイセンの造形を代表するアーティスト、ペーター・シュトラングが制作した
人間の五感、嗅覚・味覚・聴覚・触覚・視覚を表わした作品。シュトラングらしい見る人をほのぼのとさせる人形を、
花や動物といった伝統的なモチーフだけでなく、イヤホンなどの現代的なアイテムも用いて表現したユーモラスさが特徴です。
五感を表現した人形
ペーター・シュトラングのユニカート作品です。彼ならではのフォームとカラフルで可愛らしい衣装も見どころです。
左から
嗅覚:花の香をかいでいます。(品番:U5260/630100、高さ:約25.5cm)
味覚:アイスクリームを食べています。(品番:U5263/630100、高さ:約28.5cm)
聴覚:イヤホンで音楽を聴いています。(品番:U5264/630100、高さ:約29cm)
触覚:ウサギを触っています。(品番:U5265/630100、高さ:約27.5cm)
視覚:鳥を見ています。(品番:U5266/630100、高さ:約26.5cm)