300年以上の長きにわたり、芸術的な名品を創り続けてきた、国立マイセン磁器製作所―。膨大な量の資料と原型をもとに毎年発表される復刻作品や新作は、すでにコレクターの間で確固たる評価と地位を得るに至っています。 芸術品と呼ぶにふさわしい作品群からは、マイセンの高い技術と伝統が伝わってきます。
今回は、マイセンの2015年世界限定作品の中から、コーヒーポット「メンドリ」のご紹介をします。
コーヒーポット「メンドリ」 *世界限定100点
中国の想像上の鳥であり、幸運のシンボルである鳳凰が、マイセン初期の磁器製作者たちによって、ドイツで親しまれていたメンドリに姿を変えています。すでに1735年、マイセンの原型アソートに取り入れられていたこのポットは、ファンタジーに満ちた磁器作品の典型的な一例であり、バロック様式の華麗な食卓を飾る立役者でした。そしてそれは、東アジアから輸入された品々が、どのようにザクセンの芸術家たちに独自の解釈や表現方法へのインスピレーションを与えたかを示しています。中国で鳳凰は皇帝の宮殿の一角を守り、男性的な陽と女性的な陰を共に内包しているとされています。マイセンでは、2010年にオンドリの形のポットが復刻されましたが、このメンドリのポットはその対を成すものです。このメンドリが家を守ってくれるかどうかはさておいても、それは幸福と喜びをもたらしてくれるでしょう。初期のマスターピースを手にするという幸福と、微笑みを呼ぶこっけいなその姿がもたらす喜びとを。(商品番号:900384/77459、高さ:7.5cm)
メディア情報:25ans 9月号
出版社名:ハースト婦人画報社
2015年7月28日発売号
25ans(ヴァンサンカン)ウェブサイト
「25ans」は、華やかで幸せな女性たちに、
今の時代のゴージャスを体験するための情報 を発信する、
世界で認められたラグジュアリー マガジンです。
57ページの「25ans 外商部 Interior」に、マイセンの2015年世界限定作品ティーポット「犬のいるポット」が掲載されました。
*マイセンのティーポット「犬のいるポット」【世界限定25点】
イギリスでも、フランスやドイツでも、紅茶の楽しみは航路による通商が全盛期を迎えた18世紀、西ヨーロッパ中に広まっていきました。その繊細なアロマを楽しむため、紅茶は伝統的に球形のポットで、とりわけ格式高く繊細な磁器で供されました。18世紀の後半になると古典主義の食器のフォームが流行し、その厳格な形状は、しばしば神話の人物像や友情や愛情のシンボルである花輪などで和らげられました。特にチャーミングな傑作として知られるのが、ミシェル・ヴィクトール・アシエ(1736-1799)が1780年に作った、蓋に子犬のいるティーポットです。パリの王立造形アカデミーで学んだアシエは、1764年来、故郷での流行を取り入れることで、マイセンに新風を吹き込みました。オリジナルのティーポットの絵付に関する資料が残っていなかったため、マイセンのアーティストたちは今回かなり頭を悩ませました。そして「王の青」ではっきりとしたラインを描くことにしたのです。このように濃く力強い青は、このフォームができる少し前にマイセンで開発されたものでした。高価な金がはっきりとしたこのフォームを強調しています。球体のてっぺんで、すべてのラインが集まり、そのことで視線が子犬に集まります。誰にでも好かれ、忠実な友である子犬によって、この珍しいアイテムはたちどころにコレクターの心を捉えることでしょう。容量:約350ml
*マイセンの製品は、全国主要百貨店 でお求めいただけます。
MEISSENメモ(25):古都マイセンの8月のご紹介
古都マイセンの8月のご紹介をします。
真夏のマイセンは、夜9時過ぎまで明るく、人々は家族や友人と戸外で短い夏を楽しみます。真昼の光が影を落とす晴れた日の夕方、あたりはがブルーに染まる瞬間があり、それをマイセンの絵付師たちは「青の時間」と言って大切に
しています。空気がきれいなマイセンならではのロマンティックなひととき。こうした環境もマイセンの作品に投影していると言えるでしょう。