2014年3月
マイセン磁器製作所の絵付師、エルケ・ダンネンベルクさんが日本橋三越本店「大マイセン展」のために来日し、6日間絵付の実演を行ないました。
卓越した技術を披露したダンネンベルクさんのインタビューをご覧ください。(今回の来日は2回目となります。)
エルケ・ダンネンベルク氏 プロフィール
Elke Dannenberg
1970年4月12日マイセン生まれ。1986年から1990年まで、国立マイセン磁器製作所の養成学校で学び、その優れた才能から、1992年、「現代人物画絵付部門」に配属され、ヴェルナー教授のデザインによる現代マイセンの絵柄を描くようになりました。ヴェルナー教授の高弟ヴォルフガング・ワックスの指導のもと、1999年から2007年まで絵柄の開発にも携わり、2010年には「マイスター」となって、後進の指導にもあたっています。ヨーロッパだけでなく、アメリカやドバイでも実演を行ない、好評を博しました。
-今回の来日の印象はいかがですか?
エルケ・ダンネンベルク氏(以下E・D):去年に続き今年も日本に来ることができて、大変嬉しく思っています。今年は日本橋三越本店で絵付実演をしましたが、銀座のホテルから日本橋まで歩いていくと、通りに早くも桜(おかめ桜)が咲いていました。美しく、春の訪れを感じました。昨年も感じたことですが、日本の皆さんは大変親切で、とても温かく迎えてくださいます。仕事をする姿は生き生きしています。私も大変楽しく、実演をすることができました。心から感謝しています。
-今、マイセンでやっていることはどんなことですか?
E・D:アラビアンナイトの絵付をしています。アラビアンナイトのグラフィックバージョン(注・アラビアンナイトには、グラフィックのバージョンと絵画的なバージョンと2つある)は、たった5色(注・金を除く)で、華やかでエキゾチックな世界を表現しています。ブルーとグリーンは銅を含む顔料で、柔らかく透明感があり、服や絨毯の素材感や波の躍動感を表わすのに大変適しています。この絵付はとても楽しく、やりがいのある仕事です。
-日本のファン、ユーザーにメッセージをお願いします。
E・D:マイセンの磁器は、ひとつひとつが手仕事で作られ、同じ絵付師が描いたものであっても、ひとつとして同じものはありません。いわばどれもがユニカートといえるものです。芸術作品といわれるものもありますが、私はマイセン磁器が日常生活と結びついてほしいと思っています。美しいものに囲まれて生活するのは、大切なこと。マイセンの磁器を、どうぞ日々の暮らしの中で使ってください!
*アラビアンナイトのグラフィックバージョンはたくさんありますがその一部をご紹介いたします。
左から
・ボックス「アラビアンナイト」(商品番号:680710/52860)高さ:9.3cm
・プラーク「アラビアンナイト-小船乗り」(商品番号:68A013/58263A)サイズ:56×46cm
・花瓶「アラビアンナイト」 (商品番号:680791/51081) 高さ:23.0cm