アレゴリー(寓意)をテーマとした作品をご紹介します。
アレゴリー(寓意)とは、抽象的な概念を具体的な形象によって表現する技法のことで、
14世紀の頃から美術作品に取り入れられてきたと言われています。
マイセンでは18世紀から伝統的なテーマとして作品が作られてきました。
今回はその一つをご紹介します。現代マイセンの造形を代表するアーティスト、ペーター・シュトラングが制作した
人間の五感、嗅覚・味覚・聴覚・触覚・視覚を表わした作品。シュトラングらしい見る人をほのぼのとさせる人形を、
花や動物といった伝統的なモチーフだけでなく、イヤホンなどの現代的なアイテムも用いて表現したユーモラスさが特徴です。
五感を表現した人形
ペーター・シュトラングのユニカート作品です。彼ならではのフォームとカラフルで可愛らしい衣装も見どころです。
左から
嗅覚:花の香をかいでいます。(品番:U5260/630100、高さ:約25.5cm)
味覚:アイスクリームを食べています。(品番:U5263/630100、高さ:約28.5cm)
聴覚:イヤホンで音楽を聴いています。(品番:U5264/630100、高さ:約29cm)
触覚:ウサギを触っています。(品番:U5265/630100、高さ:約27.5cm)
視覚:鳥を見ています。(品番:U5266/630100、高さ:約26.5cm)
MEISSENメモ(96):「紫陽花」がモチーフのプラークのご紹介
「紫陽花」がモチーフのプラークをご紹介します。
「紫陽花」の主な原産地は日本や中国です。
かつてオランダの東インド会社によって日本や中国の磁器と共に、
このエキゾチックな花「紫陽花」はヨーロッパへ広まり、品種改良もされ今日も人気があります。
特にマイセンでは、20世紀に活躍した若いアーティストたちがこの花の絵付に取り組みました。
今日でもさまざま絵付師が美しい「紫陽花」を描いています。
それぞれのアーティストによって異なる表現があり、マイセンの花の描き方の多様性に驚くほどです。
MEISSENメモ(95):マイセンの伝統技法「クリスタル・グラズーア」のご紹介
マイセンの伝統技法「クリスタル・グラズーア」をご紹介します。
磁器制作(上絵付)の工程では、第一焼成(素焼き)の次に釉をかけ本焼成し、純白の生地に絵付し、
さらに焼成(複雑な絵付の場合は数回)し完成に向かいます。
特殊な釉薬を用いて焼成すると、窯内の炎の偶然の作用により雪の結晶のような文様が生じ、
この技法は「クリスタル・グラズーア(結晶釉)」と言われています。
古来日本や中国で珍重されてきたこの難しい技法「窯変」は、19世紀後半のヨーロッパでもさまざまな磁器製作所が試み、
20世紀初頭のマイセンで独自の発展を遂げました。
昨年この伝統技法を進化させた新作プラークが誕生しました。
クリスタル・グラズーラによる荒い表面に絵付された美しい作品には、結晶釉と絵付の見事な調和が見られます。