マイセンの 「スワンサーヴィスセット」をご紹介します。
「サーヴィスセット」とは、コーヒー、紅茶やディナーを供するための食器セット一式のこと。皿やカップ類だけでなく、ソース入れや塩入れなど、多くの食器を包括しています。マイセンでは、ヨハン・ヨアヒム・ケンドラーが生み出し、ヨーロッパの後の卓上文化に大きな影響を与えました。ブリュール伯爵の注文で作られた「スワンサーヴィスセット」は、エルミタージュ美術館とドレスデン陶磁美術館がその一部を所有していますが、現在では完全な姿でこの2,000ピースを見ることはできません。「スワンサーヴィスセット」は、フランシス・バローの絵画がモチーフになっていますが、伯爵の庭園の噴水や、ブリュールという名前が「湿地」に由来することから、「水」をテーマに、永遠の命の象徴とされるスワン、ガラテア、魚、貝などが立体的に表現されています。「スワンサーヴィスセットがなければ、ロココ時代はまったく貧弱なものになってしまったであろう。」と、有名な磁器研究家、オットー・ヴァルヒャは断言しています。
*白磁の「スワン ホワイト」をマイセンサイト でご覧いただけます。
*マイセンの製品は、全国主要百貨店 でお求めいただけます。
MEISSENメモ(38):マイセン「ヘンチェルの子供たち」のご紹介
マイセンの 「ヘンチェルの子供たち」をご紹介します。
20世紀初頭、当時すでに200年の伝統を持ち、クラシックな磁器を作り続けていたマイセン磁器製作所にアール・ヌーヴォーの新風を吹かせ、多くの愛らしい子供の姿を作り上げた造形家、ユリウス・コンラート・ヘンチェル(1872-1907)。ヘンチェルは、子供のあらゆる姿、表情、しぐさの一つひとつを生き生きと的確にとらえ、彼の独自のスタイルを確立しました。当時のマイセン新聞はこう伝えています-「マイセン磁器製作所は、現代の小像の分野において、特に人間描写の点で最も大きな、そして重要な貢献を果たしている」。彼の代表作「ヘンチェルの子供たち」は、今なお世界中のマイセンファンの心を捉えて離しません。
*マイセンの製品は、全国主要百貨店 でお求めいただけます。
MEISSENメモ(37):マイセン「ベトガー炻器」のご紹介
マイセン「ベトガー炻器」のご紹介をします。
「ベトガー炻器」
マイセンの創始者、アウグスト強王の命を受け、錬金術師、ヨハン・フリードリッヒ・ベトガーによって、ヨーロッパ初の白磁を発明するのに先立って作り出されたのが赤茶色の焼物でした。それは炻器といい、その記念碑的な価値から「ベトガー炻器」という名称で呼ばれています。炻器は膠塊粘土(こうかいねんど)と呼ばれる鉄を含んだ茶褐色の土で作られています。白磁の焼成の成功以降は次第に顧みられなくなりましたが、二十世紀に入ると、彫塑(ちょうそ)に適した特性が見直され、再び動物彫像など多くの作品がこの製法で作られるようになりました。