MEISSENメモ(113):マイセンの「古文書資料館」のご紹介

マイセンの「古文書資料館」をご紹介します。

国立マイセン磁器製作所には、300余年にわたる磁器制作の記録を保存している文献室「古文書資料館」があります。
一つの工房で創立当初から現在に至るまでの記録を網羅しているヨーロッパ最古の文献室といわれています。
ここには、硬質磁器の誕生までを書き残した報告書をはじめ、顔料の調合書、制作報告書など4,000冊以上のファイルや、製品写真が入った約 8,000 枚のネガガラス、約700 冊のカタログなどもあります。
またマイセンの歴史や美術史などにに関する書籍は7,000冊以上も収蔵しています。
今日でもこの貴重な資料館にある絵柄や原型収蔵庫の型を基に、300余年で培われてきた現在の最高の技術をもって復刻作品や新しいシリーズなどが作られています。

古文書資料館の扉のプレートには、マイセンの剣マークが入れられています。
貴重な資料が大切に保管されています。
マイセン磁器の歴史と伝統が息づく宝庫。
保守や修復と共に数年前からデジタル化を進めています。

MEISSENメモ(112):
マイセン最古の作品の一つ「バラスター装飾花瓶」のご紹介

マイセン最古の作品の一つ「バラスター装飾花瓶」をご紹介します。
 
1710年にマイセンが誕生した初期の頃、マイセン磁器は制作者たちがそれまで携わってきたものの影響を受けました。
銀や銅の細工師たちが、それぞれの習得した技を新しい素材である磁器に応用しようとしたのです。
「バラスター装飾花瓶」の原型となったものは、マイセン磁器製作所のコレクションの中でも最も古く、宮廷金銀細工師、ヨハン・ヤコプ・イルミンガー(1635-1724)の作品として知られています。
花瓶のフォームやレリーフは、錫や銀の器が制作上の手本であったことを思い起こさせます。
中でも花瓶の上部に施されたレリーフは、寝台の天蓋などに用いられたひだつき垂れ布の銀細工装飾を思わせます。
(バラスターとは階段の手すりの支えや家具などに多様されたデザイン装飾で18世紀に流行しました)

バラスター装飾花瓶、品番:000000/82383、高さ:約33cm、日本未入荷

バラスター装飾花瓶、世界限定75点、品番:82383/900382、高さ:約33cm

マイセン開窯300周年を記念して制作された作品です。

カラフルな絵付がお部屋を華やかに演出します。

バラスター装飾花瓶「色絵金彩」、世界限定25点、品番:82383/909684、高さ:約33cm

高価な金の地と上品な装飾が調和したデザインが特徴です。

貼花装飾は控え目なセピア色で後から彩色されたものです。


MEISSENメモ(111):ベトガー炻器に花絵付を施した、ボトル「春の花」のご紹介

ベトガー炻器に花絵付を施した、ボトル「春の花」をご紹介します。
 
アール・ヌーヴォー様式の時代に活躍したスコットランドのデザイナー、マッキントッシュの水彩画を基に、ケシや三色スミレ、ゼニアオイ、ホタルブクロなど、春の花をベトガー炻器のボトルに描きました。
さらに金彩のアクセントを加え気品ある作品に仕上げました。
白磁が発明される前に誕生した赤茶色の焼物は、発明者の名前にちなみ「ベトガー炻器」と呼ばれています。
ベトガー炻器に使える顔料は限られているため、微妙な花の色や表情を表現するには、色の濃さを変えて繊細なニュアンスを生み出すという高い絵付技術を要します。

ボトル「春の花」*世界限定25点*
品番:70A284/85645、高さ:約29cm

優しい色合いの春の花々

磁土を型に流し込む。

絵付の様子

ベトガー炻器
マイセン磁器の生みの親、アウグスト強王の命を受けた錬金術師、ヨハン・フリードリッヒ・ベトガーによって誕生したヨーロッパ初の硬質白磁。
それに先だって同じくベトガーにより作り出されたのが赤茶色の焼物でした。
それは炻器といい、その記念碑的な価値から「ベトガー炻器」という名称で呼ばれています。
炻器は膠塊粘土(こうかいねんど)と呼ばれる鉄を含んだ茶褐色の土で作られています。
白磁の焼成の成功以降は次第に顧みられなくなりましたが、二十世紀に入ると、彫塑(ちょうそ)に適した特性が見直され、再び動物彫像など多くの作品がこの製法で作られるようになりました。

ヨハン・フリードリッヒ・ベトガー
(1682年2月4日-1719年3月13日)
ベトガーは初め薬剤師の教育を受けその後錬金術師として注目を集め1701年(ベトガー弱冠19歳)からドレスデンなどで活躍し始めました。
その頃にアウグスト強王に見いだされ、1705年に白い金と称される白磁製法の発明を命じられました。
ベトガーは自然科学者でもあった
エーレンフリート・ワルター・フォン・チルンハウス(1651-1708)のアドヴァイスを受けながら研究に没頭し、1709年艱難辛苦の末白磁製法の解明に成功しました。
そして、1710年ついにヨーロッパ初の硬質磁器窯「マイセン」が誕生しました。
しかしノウハウが他国にもれることを恐れた強王にアルブレヒト城に軟禁され、やがてベトガーは精神的重圧から酒を飲み過ぎたことや、狭い所でさまざまな薬品を吸い続けたためか、10年後にわずか37歳の若さでこの世を去りました。
アルブレヒト城には「ベトガーの間」があり、ドレスデンの公園にはベトガーの記念碑が建っています。
マイセンの町に行かれましたら、白磁製法の生みの親であるベトガーの軌跡をぜひ訪ねてみてください。

ボトル「春の花」



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