絵柄「ブルーオーキッド」のご紹介をいたします。
蘭の花をブルーの染付で流麗に描いた「ブルーオーキッド」。この絵柄は、今から約40年前、1977年にハインツ・ヴェルナー教授によって「人間と自然への慈しみ」をテーマに作り出されました。淡いパステル調から深い青まで、様々な色調のニュアンスで描かれた蘭の花と、枝の上の細かい筆使いが印象的です。マイセンを代表する染付には1739年に誕生した中国写しの「ブルーオニオン」がありますが、「ブルーオーキッド」は高い絵画性が特徴です。「藍色」の世界は、日常使いにも贈物にもおすすめです。
「染付」について
「染付」は中国や日本から伝わった技法で、王侯貴族が憧れた「藍色」の世界です。絵付には大きく分けて「下絵付」と「上絵付」があり、「染付」とは「下絵付」のことで、釉薬をかける前に絵付をします。下絵付は、約900度で行なわれる「素焼き」の後に行なわれます。多孔質のレンガのような生地に絵付するため、顔料は一気に滲みこみ一度描くと二度と修正はできません。息をつめるような緊張感の中で細密な文様が施され、非常に高い技量が必要とされます。絵付後、釉薬をかけて約1400~1450度で「本焼成」すると、輝くような色合いが生まれます。染付のブルーと白磁の調和の取れた美しさは、歳月を超え根強い人気を保っています。
代表的な絵柄
1739年にクレッチマーが中国写しの染付の技法を生かして完成させた「ブルーオニオン(青いたまねぎ模様)」。この呼称は、柘榴(ザクロ)を玉ネギと間違えたため、という説明が定説になっています。中国のお皿に写実的に描かれた柘榴は、マイセンでも初期の頃には忠実に真似られていました。しかし、それもつかの間、見慣れぬ果物は馴染み深い玉ネギに姿を変え、桃のような果物、そして竹がバランスよく配置されることになりました。 組み合わされた数の神秘と共にこの図柄そのものの中にも、中国伝来のおめでたい「象徴」が描かれています。
蘭の花をブルーの染付で流麗に描いた「ブルーオーキッド」。1977年にハインツ・ヴェルナー教授によって「人間と自然への慈しみ」をテーマに作り出されました。淡いパステル調から深い青まで、様々な色調のニュアンスで描かれた蘭の花と、枝の上の細かい筆使いが印象的です。オニオン」があり、高い絵画性が特徴です。
マイセンで通称「ワインリーヴ」として親しまれている絵柄「常緑のぶどうの輪飾り」は、1817年にヨハン・ザミュエル・アルンホルトがデザインしました。使いやすく実質的な柄として、ドイツでも圧倒的な人気を誇っています。常緑のブドウの葉は忠実や幸運の象徴。あらゆる食卓に爽やかな風を運びます。
*マイセンの製品は、マイセンオンラインショップ 、または全国主要百貨店 、またはマイセン リーガロイヤルショップでお求めいただけます。
MEISSENメモ(60):絵柄「バラ」の系譜のご紹介
絵柄「バラ」の系譜のご紹介をします。
マイセンには、異なる手法で描かれたさまざまな「バラ」の絵柄があります。マイセン300余年の長い歴史の中で、図鑑なども参考にしながら多くの「バラ」の絵柄が考案され、その美しさを形にして永遠にとどめてきました。「バラ」の絵柄には、せわしない日常をマイセンの「バラ」で潤したいという願い、そして「バラ」の魅力のようにいつまでも人々の心に残る作品を作りたいという思いが込められています。
<バラの系譜>
・18世紀:ドイツが誇る不世出の植物・昆虫画家、マリア・ジビラ・メーリアン(1841-1922)の植物図鑑から多くを学びました。
・19世紀:ナポレオンI世の皇后ジョゼフィーヌの信頼を得、皇后のバラ園に自由に出入りできたピエールーヨゼフ・ルドゥーテ(1759-1840)の「バラの図譜」に大きな影響を受け、香り高いフランス文化がマイセン磁器の上に花開きました。
・20世紀:エデュアール・ブラウンスドルフ(1841-1922)が、マイセンの花絵付に「印象画風」という新しい様式をもたらしました。自然をそのまま写しとるだけでなく、この上なく美しく描き出すこの絵付は、今日でもマイセンの重要なレパートリーのひとつです
・21世紀:皆さまにも親しまれているハインツ・ヴェルナー教授、ホルスト・ブレッチュナイダー、そしてアンドレアス・ヘルテンが、花を新たな視点で捉え、繊細かつ大胆なタッチで描いています。モダンな空間にも調和するマイセンの新しい作品世界です。
蓋付花瓶「自然主義の手法による花と果物」*世界限定50点*
花と果物を昔から描いてきたマイセンではありますが、ここに見られる絵付は、19世紀後半の自然主義の様式によるもので、息をのむほどの自然描写により、非常に芸術的な作品となっています。つぼみ、花びら、葉、それらは朝露をたたえ、炎をくぐったとは思えないほど瑞々しく繊細です。マイセン花絵付の集大成といえるでしょう。(品番:51114/25A059、高さ:約53cm)
装飾コンポート
クラシックな卓上コンポートに手びねりによるバラの花をふんだんに飾り、自然界そのままに虫も加えています。歴史を感じさせる、マイセンらしい華麗な作品です。(品番:80576/900300、高さ:約39cm)
メッシュバスケット 「黄色のバラ」
極限までカットしたメッシュ加工が目を引きます。焼成が困難なバスケットに愛らしい数多くの黄色のバラをつけました。(品番:54033/900100、長径 : 約26cm)
バラの花のついたスノーボール「ポプリ壺」
ドライフラワーの控えめな香りをいれるために作られたスノーボールのポプリ壺です。白磁で作られるものより、一層華麗で愛らしい仕上がりとなりました。(品番:82381/900184、高さ:約14cm)
飾皿
華麗な金彩が印象的な飾皿。プレートの見込み部分に大輪のバラを描き、周囲にも金の枠取りの中に小ぶりな絵付を施しています。(品番:54130/253099、径:約29cm)
レリーフ付ボックス「一重咲きのバラ」
18世紀に生まれた古典的なボックスに優美なレリーフを施し、一重咲きのバラと忘れな草を描きました。愛を象徴するというバラの花に「忘れな草」を配したことで、愛する心の深さを強調した絵柄とされています。白磁の余白を生かし、蓋のつまみにもバラをかたどるなど、細部にも繊細な工夫が見られます。(品番:52866/130810、高さ:約17cm)
ランプ
立体的なバラの貼花装飾に敢えて絵付を施さずに仕上げました。クラシックで高貴な印象のスタイリッシュなランプです。(品番:80M06/000000、高さ:約60cm)
プラーク「バラの花輪」
熟練のマイスター、クリスティーネ・ペースラーがデザインした芸術的なプラーク。通常は丸く描かれる「花輪」を縦に描き、モダンな印象を与えています。19世紀後半に生まれた、高度な技術を要する自然主義の技法を用い、自然な美しさに溢れた逸品です。(品番:58194/25A024A、額装サイズ:約52×約37㎝)
額装プラーク「自然主義のバラ」
19世紀後半にマイセンのユリウス・エデュアール・ブラウンスドルフ教授が生み出した、自然主義の絵付技法を踏襲。絵画のようなデッサンや色彩に陰影をもたらす顔料の扱い方など、高度で繊細な技法すべてに精通したマイスターだけが描ける名品です。(品番:58263/253601A、額装サイズ:約46×約56㎝)
プラーク「白いバラ」
アンドレアス・ヘルテンがデザインしました。マイセンの「花」の描き方の多様性には驚かされます。自然主義ともまた違う新しい手法。自然の中に抽象を取り入れたような幻想的な色合いはかつてないもの。伝統と現代性がひとつの画面にとけあっています。(品番:9M229/932074、額装サイズ:約35×約26㎝)
*マイセンの製品は、マイセンオンラインショップ 、または全国主要百貨店 、またはマイセン リーガロヤルショップでお求めいただけます。
MEISSENメモ(59):絵柄「マイセンのバラ」のご紹介
バラが美しく咲く季節となりました。そこで、今回はドイツ人が愛する花でもある「バラ」の絵柄をご紹介します。
「バラ」は、マイセンの花絵付を代表する絵柄の一つです。1815~1848年の短期間に流行した家庭の平和を重んじたビーダーマイヤー様式の時代に生まれた絵柄で、「マイセンのバラ」と呼ばれ今日まで親しまれています。「ピンクローズ」は、当時から「愛と友情」の表現として人気を
得ました。また「イエローローズ」も「ピンクローズ」と同じ描き方であることから、色変わりの楽しさで愛されてきました。そして「ホワイトローズ」は、白い磁器に白いバラを描くという大胆な試みが魅力の絵柄です。質実でありながら優美な「バラ」の姿は、おもてなしのひとときや贈物におすすめです。
バラは、ギリシア・ローマの古代文明時代から「美」や「真実」の象徴として愛されてきました。ヨーロッパでは、特にキリスト教の聖母マリア信仰において「永遠の愛」を表し、以来人生のさまざまな出来事で重要な意味を持つようになりました。誕生、成人、婚約、結婚、そして死においてもバラは色を変え、形を変えて私たちに寄り沿います。
*柄番号
ピンクローズ:020110、イエローローズ:020610、ホワイトローズ:029510
*マイセンの製品は、マイセンオンラインショップ 、または全国主要百貨店 、またはマイセン リーガロイヤルショップでお求めいただけます。