招福のシンボル「フクロウ」をご紹介します。
フクロウは、ヨーロッパでは知恵の女神ミネルヴァの遣いとして知られており、彫像やプラーク、ペンダントなど
マイセンでも数多くのアイテムが作られています。
ちなみに「フクロウ」と「ミミズク」はどちらも同じフクロウ科の鳥ですが、
頭に耳のような羽角(羽毛の束)のある種類が「ミミズク」とよばれています。
お祝いの贈物やおもてなしの席にマイセンの「フクロウ」を飾ってはいかがでしょうか。
MEISSENメモ(78):人形「天使」のご紹介
人形「天使」をご紹介します。
マイセンでは、新古典主義(18世紀半ばから19世紀にかけて栄えた美術様式)の頃に、
ギリシア神話の天使をモチーフにした人形が作られました。
造形家、ハインリッヒ・シュヴァーベが作り出した天使たちは、愛のあらゆる場面にいる神をユニークに表現しています。
例えば燃えるような恋心は炎を燃え上がらせ、また壊れた心は鉄を鍛える姿で表し、愛を確かなものにするなど、
ユーモアが感じられる逸品です。
そもそも天使、エンジェルという言葉はギリシア神話の「アンゲロス」(メッセンジャー)という言葉に由来しています。
神の言葉を携えて人間の世界にやってくる天使のイメージは美術の中でもひとつのジャンルを築きました。
MEISSENメモ(77):人形「イタリア喜劇」のご紹介
人形「イタリア喜劇」をご紹介します。
16世紀中頃にイタリアで始まった
イタリア喜劇「コメディア・デラルテ」。
17世紀末から18世紀中頃にかけてヨーロッパに広がり、
パリでも流行っていました。
決まった登場人物たちが、
仮面や衣装を身に着けて演じるこの劇は
ドイツの宮廷でとても洒落たものとされ、
アウグストⅢ世が新しい一座を作らせたほどでした。
1770年代初め、天才造形家、ヨハン・ヨアヒム・ケンドラーが
12体のイタリア喜劇の人形を制作した時には、
「コメディア・デラルテ」への世間の熱狂は
とっくに収まっていました。
それにも関わらずケンドラーがこの新しいテーマに向き合ったことは、彼がそれぞれの役どころに魅了されていたことを
物語っています。またこの人形は、広がりつつあった擬古典主義の影響を受けています。
それは台座のレリーフ装飾や衣装、ポーズに、「古代」への立ち返りとして現れています。
ケンドラーの初期の作品と比較すると、動きは抑えられ、まとまりある輪郭により複雑なねじれや大げさなジェスチャーは
省かれています。