マイセンで絵付師として活躍している若きマイスター、マルティナ・スツェーアをご紹介します。
1986年、ドイツのチューリンゲン、シュライツに生まれ、
幼い頃より絵を描くことを得意としていました。
マイセンの絵付師と家族ぐるみの付き合いがあり、
それをきっかけに磁器絵付に大きな興味を
抱くようになりました。
2003年から2007年までマイセンの養成学校で
花絵付を学び、優秀な成績で卒業、
「現代的な花絵付」の部門で
キャリアをスタートしました。
その後専門を風景画や人物画へと変更し、
その精緻な絵付で高く評価されるようになりました。
現在では世界限定作品などのデザインも手掛けています。
*マイスターとは
ドイツには昔から「徒弟制度」があり、熟練の職人を「マイスター」として国家が認定するしくみがありますが、
マイセン製作所でいう「マイスター」は少々異なり、長年の修業と熟練、優秀さなどから
その腕前が上長に認められた場合に「マイスター」とされています。
MEISSENメモ(82):
MEISSENメモ(81):
プラーク部門の重鎮、シュテフェン・ミコシュのご紹介
マイセンのプラーク部門の重鎮として活躍しているマイスター、シュテフェン・ミコシュをご紹介します。
鮮やかな色彩が作品の特徴で、
その美しさには定評があります。
彼は1980 年から 1984 年まで
マイセン磁器製作所養成学校で学び、優秀な成績で卒業。
その傑出した才能から
すでに1990 年に、プラーク部門に配属されました。
現代マイセンの偉大なアーティスト、
ハインツ・ヴェルナー教授や
トップアーティスト、ホルスト・ブレッチュナイダーの
もとで研鑽を積み、
1998 年からはオリジナルデザインを手掛けるようになり、
ユニカート作品も制作しています。
*ユニカート作品とは、アトリエで創作者の手で絵付が
施される一点物のことで、この世に一つしかたなく
再び作られることも一切ありません。
ハインツ・ヴェルナー教授(1928-2019)
20世紀のマイセンを代表する偉大なアーティスト。
ハインツ・ヴェルナー教授が創作テーマとする「生きる喜び」が描かれた
デッサン・絵画集(和訳付き)を「マイセンオンラインショップ」で
お求めいただけます。
>>マイセンオンラインショップ
ホルスト・ブレッチュナイダー(1952-)
マイセンのトップアーティスト。
2016年に来日した折に、ホルスト・ブレッチュナイダー氏に行った
ショートインタビューを「マイセンサイト」でご覧いただけます。
>>マイセンサイト
プラーク「庭園のクジャク」
シュテフェン・ミコシュ
ユニカート作品
まず目に飛び込んでくるのは庭園の
中央に描かれた色とりどりの花。
その手前の池のほとりにカワセミと
クジャクが佇んでいます。
甲高い鳴き声のクジャクは
昔から貴族の邸宅の警備に飼われ、
百の「目」を持つその羽によって
ギリシア神話では「全知全能」、
ロココ様式の時代には愛の秘密を
垣間見る者とされました。
ミコシュが描く幻想的な光景です。
(品番:U5533/630090、
サイズ:約43×30cm)
プラーク「月夜のアルブレヒト城」
シュテフェン・ミコシュ デザイン
真夏のマイセンは、
夜9時過ぎまで明るく
人々は家族や友人と戸外で
短い夏を楽しみます。
真昼の光が影を落とす
晴れた日の夕方はあたりが
ブルーに染まる瞬間があり、
それをマイセンの絵付師たちは
「青の時間」と言って
大切にしています。
空気がきれいなマイセンならではの
ロマンティックなひとときです。
美しい色彩で定評のある
ミコシュならではのデザインです。
(品番:9M506/934055、
サイズ:約27×27cm)
花瓶「花園」」
シュテフェン・ミコシュ デザイン
限定15点
美しい青空を背景に、
色鮮やかなポピーやマーガレットが
生き生きと咲き乱れています。
小さな花瓶に広々とした
草原の世界を表現し、
金彩を豊かに施して
全体を引き締めています。
華やかな色使いが魅力的な
ミコシュの新作です。
(品番:50531/932290、
高さ:約18cm)
MEISSENメモ(80):マイセンの「リモージュ風絵付」のご紹介
マイセンの「リモージュ風絵付」をご紹介します。
白い顔料を薄く塗り重ねてモチーフを描いていく「リモージュ風絵付」。
フランスで生まれマイセンで花開いた技法で、限られた絵付師にしか使いこなせない
非常に高い技術を必要とするものです。
元は金属をエナメルで装飾する時に用いられていたもので、
絵付師はこの技法を用いて見事に不思議な半透明の絵付を生み出しました。
白い顔料が施釉された黒や深い青色の磁器の上に一層ごとに描かれ、
層の厚さに応じて絵付は半透明に見えたりします。
そして魅力的な立体感が生まれます。
1893年にシカゴ万博へ出展するために「宝石箱」という作品が作られ、
1999年にそのレプリカを制作するときに、初めてこの絵付技法が使われました。
絵付師にとって特別な挑戦でしたが、新たな完璧な作品を作り出したのです。