今年も、あっという間に9月になりました。
これから来年に向けて、各ブランドの新作お披露目が続きますが、マイセンにはこの時期毎年発表される「イヤーコレクション(イヤー記念)」アイテムがたくさんあるのを皆様ご存知でしたか?
その筆頭は「イヤープレート」。
最初のイヤープレートは1910年にアーティストのアトリエで生まれました。
天使がベツレヘムの羊飼いにイエス・キリストの誕生を知らせるために現れた様子が、田舎の風景の中に描かれています。
H.リムバッハが、聖書に登場する物語をモチーフにデザインしました。
◄1940年イヤープレート 「羊飼いのお告げ」
1940年代-60年台は、聖書の中の一節を描いたり、クリスマスの風景やドイツの景色を描いた牧歌的な絵柄が多いのですが、1970年-80年になるとグリムやアンデルセン童話をモチーフに描かれた絵柄が登場するようになります。
現代マイセンに一時代を築いた、ハインツ・ヴェルナー教授や絵付師フォルクマール・ブレッチュナイダーが童話の世界を小さなプレートに大胆にデザインしました。
1990年台になると、ルードヴィッヒ・ツェプナーの「グローサー・アウスシュニット」のフォームに描かれたシリーズや、98年から2004年までは「波の戯れ」のフォームに空を舞い海を渡る乗り物が描かれた「空と海の冒険」シリーズが発表されました。いずれのシリーズもハインツ・ヴェルナー教授がデザインしたもので、基本的に6年周期で新しいシリーズに変わります。
現在のイヤープレートのデザイナーであるアンドレアス・ヘルテンは、前シリーズの「有名なオペレッタ」からデザインを行っており、現在の「世界遺産」シリーズでは毎年魅力溢れる「世界遺産」の地を描いています。
世界遺産を巡るシリーズの4作目でアンドレアス・ヘルテンがデザインした幻想的な光景がプレートの上に広がります。
1000年以上の歴史をもつ古都アンコールの神秘的な寺院が昇る朝日に照り映えるさまがデザインされています。
プレートの縁を飾る帯状の文様は再生と永遠の命を象徴しています。
◄サイズ:直径 約27.5cm
品番:54624/764895
こちらでご購入いただけます。
イヤープレート以外にも、マイセンでは毎年新しく発表される作品があります。
「アニュアルプレート」、「干支プレート」、「ミニ干支」は日本だけで販売され、その年を記念する作品として知られています。
2013年は「ほら吹き男爵」。ドイツの有名な物語の主人公が軽妙に描かれています。
◄2013年アニュアルプレート「ほら吹き男爵」
サイズ:直径 約18.5cm
品番:23501/79A090
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「干支プレート・ミニ干支」などは、マイセンの日本への深い思いから生まれた作品です。
18世紀初め、中国や日本の絵柄を真似ることから始まったマイセンにとって、日本の伝統を表現することは、単に「売る」ためではなく、そのDNAに組み込まれたひとつの「伝統」と言えるでしょう。
◄2013年干支プレート「小さなトランペットと蛇の親子」
サイズ:直径 約19cm
品番:54614/76A006
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ミニ干支はジルヴィア・クリューデという女性アーティストの作風により、マイセンのマイスターたちが手びねりで作っています。同じものが二つとない、手びねりのおもしろさ溢れる作品です。
◄2013年ミニ干支 巳/王様・王妃様
サイズ:高さ 約5.5cm
品番:83478/900300・83479/900300
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新しい年の幸せを祈って作られる日本のための「マイセン」。これらの作品は、マイセンと弊社バイヤーとでデザインを練り、何度もドイツと日本でやりとりを重ね作られています。
次回の記事では、「干支プレートが完成するまで」を貴重なデザイン画の画像や修正指示のやりとりなどを交えながらご紹介させていただきます。