美術様式から見たマイセン磁器「バロック様式」のご紹介をします。
マイセンは、誕生以来、時代ごとに新しい様式を取り入れ、伝統の継承と共に「磁器による表現の可能性」を追求し続けてきました。その作品群は、約23万種類にのぼり「様式の宝庫」ともいわれています。17世紀に最盛期を迎えたヨーロッパの「バロック様式」。曲線や楕円を多く用いた、豪華な装飾が特徴とされている様式です。今回は、この「バロック様式」を取り入れたマイセンの作品をご紹介します。皆様にも親しみのある「ブルーオニオン」や「スワン サーヴィスセット」のシリーズ、人形の「猿の楽隊」や「パゴダ」など。そして、18世紀の初めにつくられた大型の水差型花瓶や、エフエフ画とよばれる植物的な花柄のサーヴィスセットなどがあげられます。また、ドイツのドレスデンにあるアウグスト強王のツヴィンガー宮殿も「バロック様式」の典型として知られています。
ブルーオニオン
1739年にクレッチマーが中国写しの染付の技法を生かして完成させた「ブルーオニオン(青いたまねぎ模様)」。 この呼称は、柘榴(ザクロ)を玉ネギと間違えたため、という説明が定説になっています。中国のお皿に写実的に描かれた柘榴は、マイセンでも初期の頃には忠実に真似られていました。しかし、それもつかの間、見慣れぬ果物は馴染み深い玉ネギに姿を変え、桃のような果物、そして竹がバランスよく配置されることになりました。 組み合わされた数の神秘と共にこの図柄そのものの中にも、中国伝来のおめでたい「象徴」が描かれています。
*ブルーオニオンのアイテムは、マイセンサイト「ブルーオニオン」をご覧ください。
スワン サーヴィスセット
「サーヴィスセット」とは、コーヒー、紅茶やディナーを供するための食器セット一式のこと。皿やカップ類だけでなく、ソース入れや塩入れなど、多くの食器を包括しています。マイセンでは、ヨハン・ヨアヒム・ケンドラーが生み出し、ヨーロッパの後の卓上文化に大きな影響を与えました。ブリュール伯爵の注文で作られた「スワンサーヴィスセット」は、エルミタージュ美術館とドレスデン陶磁美術館がその一部を所有していますが、現在では完全な姿でこの2,000ピースを見ることはできません。「スワンサーヴィスセット」は、フランシス・バローの絵画がモチーフになっていますが、伯爵の庭園の噴水や、ブリュールという名前が「湿地」に由来することから、「水」をテーマに、永遠の命の象徴とされるスワン、ガラテア、魚、貝などが立体的に表現されています。
スワン ホワイト
18世紀のヨーロッパ磁器芸術の頂点と言われる「スワンサーヴィスセット」をもとに、白磁でつくられた「スワン ホワイト」。優雅なスワンがくっきりとレリーフに浮かび上がりこの上なくエレガントです。
*スワン ホワイトのアイテムは、マイセンサイト「スワン ホワイト」をご覧ください。
猿の楽隊22Pセット
原型は、1753年から1755年にかけて造形家ケンドラーによってつくられました。ケンドラーは猿を用いて、宮廷の生活やその束縛、慣習を風刺したといわれています。「人間の格好をしても、猿に理性があるわけではない。しょせん、猿は猿だ。」という当時の寓話をもとに作られた世にも珍しい作品です。アウグスト強王のお抱え楽士たちの下手な演奏を皮肉ったという説もあります。猿たちの表情と衣装の美しさがみどころです。(商品番号:60001/60022/22P)
水差型花瓶「気」
この花瓶の原型は、1741年~42年にかけて、ケンドラーによって作られました。磁器彫像の創始者といわれるケンドラーは多くの寓意像を制作しましたが、その寓意的作品の中でも特に有名なのは、四大元素(火・気・水・土)をモチーフにした暖炉の飾り棚用の花瓶(水注)です。その中でこれは「気」をあらわした花瓶です。表側は、それぞれの元素を象徴するギリシア神話の神々があらわされ、華やかに、そして豪華に装飾されています。(商品番号:81612/900300)
デジュネ「繊細な花絵付(エフエフ画)」*世界限定25点*
18世紀のヨーロッパにおいて、王侯貴族しか味わうことのできなかったホットショコラ。この美しいデジュネセットは、それを楽しむために1745年頃作られた作品の復刻版です。原型が失われていたため、原型を復刻するところから行なわれました。昔の銅板画を思わせる古典的な絵付で描かれたヒヤシンスは愛情を、バラは美を、カーネーションは友情を象徴しています。(商品番号:20A484/C5524)
ツヴィンガー宮殿
ドイツ、ザクセン州の州都ドレスデンにあるバロック様式の宮殿。マイセンの生みの親、アウグスト強王の命によって建てられました。
MEISSEN 2016年世界限定作品:デジュネ「金の庭」
300年以上の長きにわたり、芸術的な名品を創り続けてきた、国立マイセン磁器製作所―。膨大な量の資料と原型をもとに毎年発表される復刻作品や新作は、すでにコレクターの間で確固たる評価と地位を得るに至っています。 芸術品と呼ぶにふさわしい作品群からは、マイセンの高い技術と伝統が伝わってきます。
デジュネ「金の庭」*世界限定50点
紅海沿岸の町、アル・ムーカにちなんでモカと名付けられたアラビアのコーヒー豆は、ヴェニスを経由して17世紀にヨーロッパに入ってきました。コーヒーを飲むことは、当時流行したトルコのモードや、メルヘンのようなオリエントの華やかなファンタジーと共に高価な器を趣味良く彩りました。それに合うポットがマイセンでできたのは、1735年のことでした。そのうちの一つが、このデジュネセットの中央に、まばゆいばかりの高価な金をまとって登場しています。この金彩の方法は近年用いられているものです。23金のマットな面から繊細な文様が輝くように浮かび上がっています。このモチーフのヒントになったのは、16世紀のインドの書籍にあった挿絵で、花や草むら、木々、鳥たち、そして岩などのあるエキゾチックな庭が理想的に表現されています。コバルトブルーの染付による縁飾りは焼成中磁器の中に深く入り込み、きらびやかな金装飾を効果的に取り囲みます。それはポットの大きな面やタブレット全体、そしてソーサーにも施されて、小さなカップの上でも呼応しています。コーヒーを心から味わうことを楽しむことを知っていた時代への華麗な追憶と言えるでしょう。(商品番号:82A884/C5525、カップ:容量約60ml、ポット:容量約900ml、トレイ:約37X28cm)
メディア情報:Richesse No.17
出版社名:ハースト婦人画報社
2016年9月28日発売号
Richesse(リシェス)ウェブサイト
『リシェス』は、フランス語で「裕福」、「豊かさ」を意味する
タイトルに相応しく、本物かつ極上の情報を
トップクラスの富裕層の方々へお届けしています。
376ページの「Time for a Treat」に、
テレジアンタールのグラス
「バッカス ブルー」と「バッカス グラヴィール」が掲載されました。
◆「バッカス ブルー」
国立マイセン磁器製作所とテレジアンタールのコラボレーションで、テレジアンタールのロゴと、マイセン磁器の双剣マークがはいっています。19世紀の歴史主義を代表する古典的なフォームに、ロゼッタとお揃いのリボンが巻かれています。伝統と同時に洗練されたモダニズムも感じられ、まさにテレジアンタールを代表するシリーズです。バッカスとは、ローマ神話の「ぶどう酒の神様」。脚がないタイプで、食卓の雰囲気を変えるのにぴったりです。掲載されたワインタンブラー(大)の他に、 リキュールタンブラー、ワインタンブラー(小)、シャンパンタンブラー、 ゴブレット、ボウル(小)、ボウル(大)の全7アイテムがあります。
◆「バッカス グラヴィール」
このシリーズも国立マイセン磁器製作所とテレジアンタールのコラボレーションで、テレジアンタールのロゴと、マイセン磁器の双剣マークがはいっています。19世紀の歴史主義を代表する古典的なフォームに、テレジアンタール伝統の小鳥と花がグラヴィールされています。伝統と同時に洗練されたモダニズムも感じられ、まさにテレジアンタールを代表するシリーズです。バッカスとは、ローマ神話の「ぶどう酒の神様」。脚がないタイプで、食卓の雰囲気を変えるのにぴったりです。アイテムの種類も掲載されたワインタンブラー(大)の他に、 リキュールタンブラー、ワインタンブラー(小)、シャンパンタンブラー、 ゴブレット、ボウル(小)、ボウル(大)の全7アイテムがあります。
グラスの底面には、国立マイセン磁器製作所とテレジアンタールのコラボレーションの証として、マイセン磁器の双剣マークと、テレジアンタールのロゴが入っています。