MEISSEN 「手びねり人形」のご紹介

マイセンの人形は、その種類の多さ、様式の多様さが一つの特徴となっています。輝く白磁の上に、繊細に描かれる顔の表情や手足の躍動感により、ヨーロッパ随一との名声をほしいままにしてきました。人形の中でも「手びねり人形」は、伝統的な人形制作とは異なり石膏型をほとんど使用しないで作り上げられます。マイセンのトップアーティスト、ペーター・シュトラングが考案した技法です。磁土をこねて、手で自由に作られる人形は、ユーモラスで豊かな表情と、一品一品味わいが異なることが魅力です。猿を用いて、宮廷の生活やその束縛、慣習を風刺したといわれる代表作の「猿の楽隊」をはじめ、「天使の楽隊」、「花嫁と花婿」、「ドクター」、「5人のアーティスト」など、多彩な種類があります。

彫像「猿の楽隊」11体セット

彫像「猿の楽隊」11体セット
マイセンの名品として知られる「猿の楽隊」。1753年から1755年にかけ、天才的な造形家、ヨハン・ヨアヒム・ケンドラーによって作られた猿の楽隊に、現代マイセンを代表する彫塑家、ペーター・シュトラングが挑んだ話題作です。シュトラングらしいユーモラスな表情と身振りをお楽しみください。(商品番号:83320/83330/900300/11P、高さ: 12~18cm)
 
天使の楽隊

「天使の楽隊」
ペーター・シュトラングの作る手びねりの人形には人生を彩る夢とファンタジーがいっぱいです。天使の奏でる楽器の音まで聞こえてきそうです。左から、指揮者、トライアングル、ハープ、太鼓、ラッパ。この他、歌手や、チェロ、フルート、トランペットなどを奏でる天使もあります。(商品番号:左から、83176/900300、83156/900300、83175/900300、83158/900300、83159/900300、高さ:約11~12cm)
 

花嫁と花婿

「花嫁と花婿」
ペーター・シュトラングが幸せなカップルの姿を、フォームを多用せず手びねりで表現しました。結婚の記念やお祝いのお品物として人気の高い人形です。(商品番号:81856/900300、高さ: 約11cm)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ドクター

「ドクター」
ペーター・シュトラングの弟子、オラフ・フィーバーがデザインしたユーモラスなドクターたち。左から、整形外科、内科、耳鼻咽喉科、眼科、歯科、産婦人科。(商品番号:83340/83345/6P、高さ:約8~10cm)
 
 
 
 
 
 
5人のアーティスト

5人のアーティスト
20世紀後半に活躍したマイセンの5人のアーティストをペーター・シュトラングがユニークなミニチュア人形にしました。それぞれが得意な楽器を奏でている楽しい作品です。左から、ペーター・シュトラング(サクソフォン)、ハインツ・ヴェルナー(アコーディオン)、ルードヴィッヒ・ツェプナー(ヴァイオリン)、フォルクマール・ブレッチュナイダー(太鼓)、ルディ・シュトレ(ギター)。(商品番号:83500/83504/901300/5P、高さ:約10~13cm)
 
 
 
 

ペーター・シュトラング(Peter Strang)
ペーター・シュトラング Peter Strang
1936年 ドレスデン生まれ
1950年から54年までマイセン磁器製作所で造型を学び、その優れた才能からドレスデン造形大学のアルノルト教授のもとでさらに研鑚をつみました。1960年に製作所に戻り、アーティスト集団「芸術の発展をめざすグループ」の設立メンバーとなって活躍しました。シュトラングの作品は、20世紀後半の磁器芸術全体に大きな影響を与えたといわれます。動と静、緊張と弛緩など、相対するものの一致をめざし、その優れた抽象と象徴の中に「シュトラング」をいう個性を強く感じさせています。



その他、時代と様式を人形の服装で表現した「様式ペア人形コレクション」、童話をモチーフにした手びねり人形がついた立体的なプラーク「メルヘンプラークコレクション」、毎年発表される「ミニ干支コレクション」 などあげられます。
 
*マイセンの製品は、全国主要百貨店 でお求めいただけます。

MEISSENメモ(44):美術様式から見たマイセン磁器、「歴史主義」のご紹介

美術様式から見たマイセン磁器、「歴史主義様式」のご紹介をします。
設立以来、時代ごとに新しい様式を取り入れてきたマイセン。その作品群は、約23万種類にのぼり「様式の宝庫」ともいわれています。今回は、「歴史主義様式」を取り入れたマイセンの作品をご紹介します。「歴史主義」は、19世紀の様式で、ギリシア・ローマ、ロココ、ジャポニズムなど過去のさまざまな様式が渾然一体となっているのが特徴です。マイセンでは、19世紀半ばに起こり、ゴシック、ルネッサンス、バロック、ロココ、新古典主義が再び取り上げられ、それらが豪華絢爛に結びつけられた点に大きな特色があります。当時のヨーロッパは多くの陶磁器メーカーが誕生しており、マイセンも存亡をかけて魅力的な作品をつくり続けなければなりませんでした。そこで、さまざま様式を組み合わせた「様式の饗宴」ともいうべきスタイルが生まれました。代表作として、「宝石箱」(復刻版)をはじめ、花と果物が描かれた花瓶、華麗なコーヒーセットや飾皿などがあります。

宝石箱(復刻版)

宝石箱(復刻版)
この宝石箱は1893年のシカゴ万国博覧会に出品されたルードヴィヒ・シュトルムの作品をオリジナルとし、国立マイセン磁器製作所により復刻された、歴史主義様式の代表作です。絵柄と装飾には、細部に至るまでシンボリックな意味合いが与えられ、深遠なる世界が表現されています。胴の部分にはリモージュ画が描かれ、縁の部分には重厚な金彩装飾が施されています。中央にはめ込まれた磁器プレートの絵柄は、パト・シュール・パトという高度な技術を用いて描かれた非常に繊細なものです。頂部の装飾は「ジュノー(天の女王のシンボル)とジャック(満点の星空のシンボル)」と題されています。この作品に施された絵柄と装飾には、細部に至るまでシンボリックな意味合いが与えられ、深遠なる世界が表現されています。例えば、正面に描かれたアフロディーテ(ヴィーナス)は、愛と実り、純粋と美の象徴。その横に描かれたアモールの持つ鏡は、虚栄心や独断、自己認識を意味し、装飾すべてが神話的な意味を持っています。この復刻には、多くのアーティストたちの力が結集され、完成までには数年の歳月を待たねばなりませんでした。こうして甦った宝石箱は、紛れもなく第一級の、類い稀な芸術品といえるでしょう。(商品番号:81575/290000、高さ:80cm、幅:50cm、奥行:36.5cm)
 
*パト・シュール・パト
19世紀にフランスのセーブル窯で生まれ、たちまちマイセンに伝って発展した特殊技法。この技法は、磁器の下地に筆と特殊な道具を使い極めて細かく砕かれた白い磁土をのせていくものです。塗り重ねる厚さにより表情は変化し、薄く塗られた部分は透明度を増して輝き、厚く塗られた部分は白く見えるといった効果があります。この特殊技法は、現在ではごくわずかな熟練の絵付師しかできないものです。
 
花瓶

花瓶
マイセンならではの、花と果物が描かれた花瓶。白磁に花とみずみずしい果物が美しく輝いています。果物文様は、マイセン磁器の数ある絵付の中でも特に人気のある柄といえるでしょう。18世紀の初めから今日まで、その高い芸術性により、絵画のような感覚で鑑賞され、収集されてきました。もともと、このような果物文様は、オランダやフランドルの絵画から習得されました。みずみずしさ溢れるその一つひとつから、まるで今にも果汁がしたたるかのような印象は、オランダの静物画に特徴的です。高いデッサン力は光と影の効果を生み出し、磁器に絵画的な奥行きを与えています。(商品番号:50398/242410、高さ:40cm)
 
 
 
 
 
 
コーヒーセット

コーヒーセット
第二ロココ様式と伝えられる、華麗なセットです。フランス宮廷の伝統と、マイセンらしさが見事な調和を見せています。マイセンで通称「第二ロココ」といわれる時代は1851年~1900年頃にあたります。1870年頃からは自然主義的な手法も生まれ、再び人気を得ていた歴史主義やルネサンス、バロック様式の重厚さに優しい趣きを添えました。マイセンには珍しい装飾の仕方で、一見ねじれて見えるロカイユ装飾のような窓枠の中に色鮮やかな花絵付けが豪華に施されています。(商品番号:251591/07582/24T)
飾皿

 
飾皿
マイセンの歴史主義の特徴の一つとして、絢爛豪華な装飾があげられます。1827年にハインリヒ・ゴットリーフ・キューンによって、上絵付後の焼成に耐え、研磨の必要のない金が生れたことも大きな影響を与えました。このような飾皿を城に飾らせることは、当時の王の権力の象徴でもありました。ロココ芸術の影響を受けた花絵付と鮮やかな色が「歴史主義の極み」ともいうべき金彩装飾によって、より一層輝きを増しています。花柄との色の対比、豪華な金彩、バロック的な重厚さの中にも、すでにロココへの移行が感じられます。(商品番号:左54130/102099、右54130/253086、径:各約30cm)
 
*マイセンの製品は、全国主要百貨店 でお求めいただけます。

MEISSENメモ(43):美術様式から見たマイセン磁器、「ビーダーマイヤー様式」のご紹介

美術様式から見たマイセン磁器、「ビーダーマイヤー様式」のご紹介をします。
設立以来、時代ごとに新しい様式を取り入れてきたマイセン。その作品群は、約23万種類にのぼり「様式の宝庫」ともいわれています。今回は、「ビーダーマイヤー様式」を取り入れたマイセンの作品をご紹介します。1815年から48年頃の様式で、作家ヴィクトール・フォン・シェッフェルが作りだした、ビーダーマンとブンメルマイヤーという人物像により名づけられました。「ビーダーマイヤー」は、当時の政情不安定な時代にあって、家庭の中に平和を見出そうとした「市民」の様式です。マイセンでは宮廷から裕福な市民階級へと愛好者が移り始めました。小さなことに幸せを見出そうとする市民の願いを表現した代表的な絵柄として、「バラ」や「小花」、愛の絆を表す「花綱」や「リボン」などがあります。




*マイセンの「バラ」について
「バラ」はドイツ人がこよなく愛する花であり、マイセンの花絵付を代表する絵柄です。ビーダーマイヤー様式の時代に生まれてから、今日まで親しまれています。質実でありながら優美なその姿は、おもてなしの席に最適です。「バラ」はギリシア・ローマの古代文明時代から「美」や「真実」の象徴として愛されてきました。ヨーロッパでは特にキリスト教の聖母マリア信仰において 「永遠の愛」を表し、以来人生のさまざまな出来事で重要な意味をもつようになりました。誕生、成人、婚約、結婚、そして死においてもバラは色を変え、形を変えて私たちに寄り添います。
 
*「小花」について
「小花」や、結婚式のヴァージンロードに散らす花をイメージした「散らし小花」は、愛と平和の象徴としてこの時代に愛好されていました。
 
*「花綱」について
色とりどりの花や葉、果物、布などをからませて綱のように弧を描かせた装飾です。リボンが結ばれている場合が多くみられます。
 
*「リボン」について
リボンは人と人を結び合わせます。そして一旦ほどかれたら二度と、まったく同じに結ぶことはできないので、ビーダーマイヤー様式においては、結ばれたリボンが人々の愛情や絆を象徴するものとして、作品に多く用いられました


*マイセンの製品は、マイセンオンラインショップ や、アマゾン「MEISSEN MANUFACTORY SINCE 1710 」
楽天市場「マイセン磁器日本総代理店」 、または、マイセン リーガロイヤルショップ全国主要百貨店 でお求めいただけます。





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