マイセンの「剣マークの変遷」のご紹介をします。
マイセンの製品には、底面に窯印として「剣マーク」が描かれています。このマークは、男性は「シュヴェルトラー」、女性は「シュヴェルトレリン」とよばれる専門の絵付師によって手描きされています。この窯印は、1722年にマイセンの検査官のシュタインブリュックが、国立マイセン磁器製作所の窯印として、ザクセン選帝侯の紋章から「双剣の文様」を使用することを提案したことに始まりました。それまでは、マイセンの生みの親、アウグスト強王(アウグスト・レックス)の頭文字ARを組み合わせたものが使われるか、何も描かれない場合もありました。剣のマークが正式に採用された後、剣の描きかたは歳月とともに変化し、当初はほとんど真っすぐに描かれていた刀は時代と共にサーベルのように優雅に湾曲した形になりました。刀の交差する位置もしばしば移動し、さらに星形や点、弓形などのマークが描き添えられる時期もありました。こうした窯印の変遷は、作品の制作年代の推定に役立っています。また「剣マーク」は1875年以降、マイセン磁器製作所として国内外で商標登録され法的に保護されています。
MEISSEN 新作シリーズ「ガーデン オヴ ベルナー」
6月新発売!
モダンなコスモポリタンのフォームに、クラシカルなパンプキンの花の絵柄を施した新シリーズ「ガーデン オヴ ベルナー」が誕生しました。
「ガーデン オヴ ベルナー」の絵柄は、かつてマイセンのアーティスト、エミール・パウル・ベルナー(1888~1970年)がデザインした「パンプキンフラワー」の絵柄を現代的に解釈したものです。海のような色彩、アイスブルーで表現されたデザインがエレガントです。既存のコスモポリタンのシリーズとも組み合わせができ、家庭用食洗機に対応する機能も備えていますので、日常使いにおすすめのシリーズです。
エミール・パウル・ベルナー(1888~1970年)
エミール・パウル・ベルナーがデザインした花や植物の絵柄は、マイセン装飾芸術の頂点を成しています。彼は、特にカボチャ(パンプキン)の花に魅了されました。マイセン磁器製作所養成学校の教授も務め、1920年代にはマイセンのアーティスト部門の主任を、1930~1937年にはディレクターとして貢献し、マイセンに大きな影響を与えたリーダーの一人です。
マルクス・ヒルツィンガー
マルクス・ヒルツィンガーは、「ガーデン オヴ ベルナー」の絵柄の源、「パンプキンフラワー」を新しい解釈で、伝統的なものを現代的なものへと変えたデザイナーです。彼はマイセン磁器製作所の保管所で、有名でありながらも忘れ去られていた宝(絵柄「パンプキンフラワー」)を見つけ出し慎重に取り組みました。そして縞模様を加えより魅力的なシリーズに仕上げました。
マルクス・ヒルツィンガーの「ガーデン オヴ ベルナー」に対する思いが語られたショートインタビュー
Q:エミール・パウル・ベルナーが、自分のデザインがコスモポリタンにあなたの解釈で使われているのを見たら、何と言うと思いますか?
A:ベルナーはとても革新的で、きわめてクリエイティブな人間であり、マイセンの花絵付を比類のない完璧なものにしました。現在の時代精神が息づく現代的な翻案は、きっと彼の意に沿うものと思います。
Q:「ガーデン オヴ ベルナー」はマイセンの歴史と現在をどのように結びつけるでしょうか?
A:一方ではベルナーの完璧な作風は、マイセンにおける伝統に則った本質的な特徴です。他方では私たちは常に刷新や時代にかなったスタンダードを目指します。今回の製作でも同様で、このコレクションはすべて家庭用食洗機器に対応する機能を備えています。
Q:現代的なフォームに歴史的なモチーフが描かれてます。何がベルナーの原型を、時代を超越させるものにしているのですか?
A:それはベルナーの作品自体の表現法によるものです。絵画的でありながらもグラフィック・アートのポスターのようで、ディテールに凝っていて、現代的なエレガントさがあります。コスモポリタンのフォームの上で、並外れたコントラストが生まれています。
Q:どのようにこの歴史的な宝(ベルナーの原型)に近づきましたか?そして、どのようにあなたのクリエイティブなプロセスをイメージすればよいでしょうか?
A:あらゆる時代の最高の原型を所有するマイセン磁器製作所の古文書資料館を、私たちは自由に利用しています。没頭し、研究し、発見する。これが作業プロセスにおける他と比べられない時間です。原型のスケッチに沿って、古い素描が作り変えられ、3Dグラフィックで描かれます。この方法で歴史的なモチーフが新たなものになりました。
Q:モチーフの作者であるベルナーとその時代に取り組むことは、あなたにとってどのくらい重要ですか?またどのくらい深く、どのようにあなたはベルナーの人生に没入するのでしょうか?
A:過去と社会的動機を理解する人だけが、全体の関連性を理解します。しかし同様に重要なのは、歴史とモチーフの作者との距離をとることが必要です。そうすることで初めて、私たちの時代のための解釈をすることができるのです。
Q:あなたは「ガーデン オヴ ベルナー」の色の世界をどのように表現しましたか?
A:私たちはマイセンの膨大な数の磁器の色を用い、時代を超越し、同時に現代的な色調を決めました。それらは、コスモポリタンのすべての色(白、金、プラチナ、メッシュ)と素晴らしいコンビネーションとなりました。
A:「ガーデン オヴ ベルナー」の中であなたのお気に入りはどれですか?
Q:プレート32cmの絵柄です。それは簡潔なほどにグラフィカルで、壁に飾っても、食事のお皿としても本当に気に入っています。
*「ガーデン オヴ ベルナー」の製品は、家庭用食洗機に対応する機能をもたせるために、絵柄の一部を手描きにせずマイセン独自の技術で美しく仕上げています。
MEISSEN 新作シリーズ「ロイヤルブロッサム」
6月14日新発売!
マイセン磁器に、花のレリーフが美しい「ロイヤルブロッサム」シリーズが誕生しました。
レリーフの源は、1739年に白いガマズミの花をモチーフに作られた「スノーボール装飾」です。この装飾は、マイセン磁器の創始者、アウグスト強王の息子、アウグスト3世が最愛の王妃、マリア・ヨゼファへ「枯れない花を贈りたい」という願いから生まれました。以来、マイセンを代表する装飾として今日まで作り続けられています。スノーボールは、英語で「雪の玉」という意味のほかに「ガマズミの花」を意味しています。
「ロイヤルブロッサム」は、立体的な「スノーボール装飾」をテーブルウェアのレリーフに移した新しいシリーズです。スタイリッシュな白磁に咲く緻密な花模様は、上品で優雅であった高貴な時代を彷彿とさせ、マイセンの至高の匠の技が現代の食卓を華麗に演出します。
・写真上:カップとソーサーを重ねてアフタヌーンティースタンドのように使うこともできます。
・写真左:プレートには、マイセンの双剣マークがあしらわれています。
・カップの取っ手の下部に花のモチーフがあしらわれており、ポットとシュガーの蓋には花のモチーフがほどこされています。
<アイテム>
プレート29cm、22cm、17cm、14cm
リムスーププレート26cm、23cm
エスプレッソカップ&ソーサー、コーヒーカップ&ソーサー
ティーカップ&ソーサー、ポット、シュガー、クリーマー、ボウル、マグ
*詳細は、マイセンサイトをご覧ください。
・写真左:花のモチーフの型を一つひとつていねいに作っている様子。
*マイセンの製品は、全国主要百貨店 、またはマイセンのオンラインショップ(今春4月オープン)でお求めいただけます。