MEISSENメモ(49):マイセンの「剣マークの変遷」のご紹介
マイセンの「剣マークの変遷」のご紹介をします。
マイセンの製品には、底面に窯印として「剣マーク」が描かれています。このマークは、男性は「シュヴェルトラー」、女性は「シュヴェルトレリン」とよばれる専門の絵付師によって手描きされています。この窯印は、1722年にマイセンの検査官のシュタインブリュックが、国立マイセン磁器製作所の窯印として、ザクセン選帝侯の紋章から「双剣の文様」を使用することを提案したことに始まりました。それまでは、マイセンの生みの親、アウグスト強王(アウグスト・レックス)の頭文字ARを組み合わせたものが使われるか、何も描かれない場合もありました。剣のマークが正式に採用された後、剣の描きかたは歳月とともに変化し、当初はほとんど真っすぐに描かれていた刀は時代と共にサーベルのように優雅に湾曲した形になりました。刀の交差する位置もしばしば移動し、さらに星形や点、弓形などのマークが描き添えられる時期もありました。こうした窯印の変遷は、作品の制作年代の推定に役立っています。また「剣マーク」は1875年以降、マイセン磁器製作所として国内外で商標登録され法的に保護されています。